隠された記憶
NHKの玄関ロビーで茂木健一郎さんを見かけた。
だいぶ前、NHKの控え室で名刺交換をして、
中央公論で時評を同時期に書いていたくらいの面識で、
目礼程度だったけれど、
やっぱり膝の上にパソコンを置いて、執筆らしかった。
ぼくは気が散ってあんなこととてもできない。
あの強大な生産力の秘密を見た感じ。
視点・論点のスタジオセットがリニュアされていた。
白いカバーの本がずらりとならぶ本棚が背景。
オープニングも白で色がない。大胆。
セットはじつは某建築家のデザインとのこと。
あまりに有名な人で、
匿名での仕事ということで、名前はあかせないのだけれど、
ああ、建築家のデザインらしいな、という気がした。
でも、きっとあれはあっという間に手あかで汚れるだろうな。
どうするのかな。
そのセットを見て思い出したのが、
ミヒャエル・ハネケ監督「隠された記憶」という映画。
カンヌで監督賞を取った作品。
主人公は教養番組のキャスター役で、テレビスタジオが登場する。
それがやっぱりセットは本棚に本の模造品がならぶというもの。
ものすごくいいセットで、映画よりその美術が印象に残った。
キャスターの家も本棚に整然と大量の本がならんでいた。
こちらは本物の本ばかり。
どういう本をどこに置こうかと、美術は悩んだにちがいないが、
それはそれで愉しい悩みだろうな。
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