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2007年11月16日 (金)

大相撲とマラソン

一年の終わりを感じるのが大相撲九州場所。
千秋楽になると、師走となり、やがて福岡国際マラソン。
この流れで、いよいよ今年も終わるか、と気持ちが年末に向かって整っていく。
ところが大相撲は人気ががた落ちで、世の中全体の雰囲気を導く力に欠ける。
福岡国際マラソンもオーストラリアのクレイトンがあっと驚く世界新記録を出したり、アメリカのショーターが四連覇、瀬古がたしか三連覇、あのころの輝かしさはない。
つまり、大相撲もマラソンもいつのまにか終わっている、というぐあいなので、師走を意識させるほどのインパクトがない。

で、紅白歌合戦。
あるメディアから紅白歌合戦についてどう思うか、答えを求められた。
60年代の高度成長期、一家に一台のテレビを囲んでの視聴では、この番組にもそれなりの「意味」があった。
ことに東京渋谷区神南から遠く離れた都市的生活とは無縁の村村では、一年に一回の、画面の華やかさに、日本的な一体感を覚える数少ない機会だったのかもしれない。
行く年来る年とセットになった、国土愛のようなものか。
そう悪くはなかったとおもう。
けれど、いまの紅白は、時代から一週遅れにもかかわらず、必死にドーピングを繰り返し、なんとか先頭に出ようと必死になっている老ランナーのようで、痛々しい。
これもまた、一年を終えるメディア的季節感からはほど遠い。
けっきょく、私たちはメディアにたよることなく自分できっちり一年を締めくくらなければならない、のだなあ、と感じる11月です。

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