DAT
取材のときにテープを回すかどうか。ぼくは回さない。今は回さなくなった。
30年前は手書きのメモだけだった。そのころはテープに録音するということを、ほとんどの記者、編集者はしなかった。
メモが唯一の記録手段で、ニクソンの盗聴問題を扱った映画「大統領の陰謀」でも、記者はメモを「とったか?」「とった、とったぞ」と、驚喜していた。
それが取材の証拠でもあった。
ところが、テープが一般的になって、めっきりメモだけの取材は減った。ぼくもテープに頼るようになった。
これでは執筆の際にテープを聞き返すのが手間だと、またメモだけに戻した。が、世間ではテープ全盛になった。その後MDが登場し、さらに数年前からICレコーダーも増えてきた。
こうして取材方法も、記録媒体も変わる。
ところが、このあいだ、ラジオの取材にやってきた人がDATを使っていた。懐かしい。
DAT=デジタル・オーデシィオ・テープレコーダーは、登場したころ、最高の音質素材として珍重された。
じっさい、抜群の音で再現できた。
それがいつのまにか消えていたが、ラジオの現場では健在だった。
もう製造を中止している製品だが、使い勝手は抜群にいいとか。失敗も少ない。が、ただ古いというだけで、これもいつか消えていくのだろうか。
そういえば、スタジオでのラジオの収録もMDだ。こちらはちょっと高価なMD。
映像の記録媒体もつぎつぎに更新されていく。で、どれがいいのか、わからないし、もう知りたくもない。
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