キンモクセイ
明け方、テレビを付けると金融危機のニュース。
ついこの間、「新聞を読んで」で、私もそれにまつわる話をしたが、本人は実感なし。
このところ、しきりに連発される「実体経済」という言葉が耳に残る。
実体経済があるなら、虚構経済があるのだろう。
フィクションとしての経済。
数字を電子ネットワークでやりとりするだけで、シャンプーの泡のようにふくらんでいく経済。
今年のはじめに、どこかの学生たちが「ぼく、株やろうかなあ」「○○はやってるらしいよ」と話してた。
株など関係なさそうな連中が、こういう話題を口にするときには、もうピークというのはよく耳にするはなし。
1929年の大恐慌で、靴磨きの少年に「○○さん、いまはどこが買いですか? おいらも始めたんですよ」と話しかけられた大投資家が、あわててすべての株を売ったという有名な話、ありますね。
そんなときが絶頂。あとは下るだけ。
やっぱりデカダンスな季節です。
朝刊の折り込みチラシがなんとたったの二枚。
これぞ実体経済か。
そして郵便受けのところで、どこからともなくキンモクセイの香り。
いい季節です。
« クウキに支配される日常 | トップページ | 南部陽一郎さんの国籍 »
「DIARY」カテゴリの記事
- バリ・インターナショナル・メディカル・センター(2012.02.21)
- ガス・ヴァン・サント『永遠の僕たち』(2012.01.17)
- 骨の記憶・後記(1)(2011.07.10)
- 骨の記憶・創作記録(8)(2011.07.04)
- 骨の記憶・創作記録(7)(2011.07.02)