オバマ
アメリカに新しい大統領が誕生した。
彼のスピーチをテレビできいた。
不覚にも感動した。
七万人の聴衆(おそらく実数はその数倍ではないか?)のなかには涙ぐむ人も多かった。
ケネディが大統領になったとき、アメリカで初めてのアイルランド系、しかもカソリックということが話題になった。
つまりWASPではない、ということ。
それまではホワイト、アングロサクソン、プロテスタントが大統領の条件だった。
それに何より彼もオバマのように若かった。
しかしケネディは東部エスタブリッシュメント出身であった。
だからオバマほどの衝撃はなかった。
オバマはヨーロッパでも大人気で、たしかベルリンでも5万人(7万人?)を集めた。
日本でももし来日すれば、過去のアメリカ大統領の比ではない人気を博するだろう。
しかし、ミラン・クンデラのあの言葉が思い出される。
それが書かれた本がどこへいったか分からないので、うるおぼえだが。
「非の打ち所のない熱狂、正しさのなかにも、かならず悪が潜んでいる」
こんな言葉。そのクンデラが密告者ではなかったかという疑惑が持ち上がっている。
だとすれば、彼のこの言葉はたんなるシニシズムというより、もっと本質的なみずからの生に照らし合わせた人間観だろう。
それにたいしてオバマは、シニシズムを乗り越えようと、スピーチしていたが。
それにしても、この国の毎夜ホテルのバー通いする政治家、さらにいつも病院通いする政治家、かれら二人とオバマを比べてしまうの私だけか。
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