TF1
ついこの間、TF1というフランスのテレビの取材があった。
家で撮影とインタビュー。これはよかった。
が、コンビニの雑誌コーナーで撮りたいという。
申請は? なし。
つまりゲリラ的に入って撮ってしまうということらしい。
恐ろしい。私はなるべく自分が行かないコンビニを選んだ。
後々のことを考えて。そこへクルーを案内。
しかし、本当に撮るとは思わなかった。
私は「コンビニというのは簡単に撮影できない。本部のコントロールがきつくて、店はいうなりで、勝手に現場で撮影許可など無理」と説明したが、「エーエー、そうでしょ、でもだいじょうぶ」とニコニコしながらディレクターが答える。
で、雑誌コーナーに入ると、本当に撮影が始まったのだ。
カウンターのなかの店員が凍ったようにかたまった。
三人のフランス人と日本人がやおら侵入しいきなり本番の撮影を始めたのだ。
しかし、フランス語と日本語が飛びかう現場に、彼らはなすすべがない。
呆然と見守るしかないようだった。
わたしも、約10分間、やけっぱちになって、「もう少し身振りを大きくね」「アクションをいれて」などという言葉どおりに「暴走老人」を演じたのだった。
すごい、すごすぎる、フランス人。
しかし、考えてみれば、ずいぶん前にパリで撮影があっとき、カフェや書店に勝手に現地の撮影クルーが入っていって、撮っていたことを思い出した。そういうもんだ。
そういう余裕といういうか、いいなあ、と文化の違いについて考えがおよんだのは、コンビニ店を飛びだし、しばらくして心が落ち着いてからのことだった。
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