「麻生さんのパンツ」 (2009.3.2) WEB限定掲載、書き下ろし
「検索バカ」の韓国語版出版が、ウオン安と経済危機で頓挫した。
ああ、そうか、と思う。
で、まったく関係ないのだが、麻生太郎という人物のコートとマフラーである。
こっている。こっているその演出力が配色はもとより、そこかしこににじみ出している。
なにしろ、あの真新しい、そして暖房も十分効いていそうな官邸内で、コートを着てさっそうとあらわれた総理大臣を私は知らない。
もちろんあえて着ているのである。毎朝、コーディネートを考え、選んでいるのである。粋である。1950年代、ワシントンの政治家風だ。隙がない。襟元
にすきまがない。ぴっちり固めている。でもそんなに寒いのか? どこか健康に問題があるの? 心配である。
しかし、なによりかっこいい!
やっぱりとことん麻生太郎である。
吉田茂のコートとマフラーの写真は昭和史に登場する。あれか。絶対あれだ。大好きなおじいちゃん。
その孫、麻生さんによる葉巻をくわえた得意ポーズがそのうち、報道で出ないのだろうか。出るべきである。
さらに、太郎さんはズボンがすごい、すごすぎる。
あのパンタロン風、60年代後半の末広がりがかっこいい。きっとオーダーメイドだ。
ずっと、同じ店かもしれない。あんなエレガントなズボン、失礼、英語通の麻生さんなら英国風にトラウザーズとか、あるいは米国風にパンツとかいうのだろ
う。
あのラインは、プレタポルテ(つまり、つるし?)では、どこにも売っていない。
いやはや、すごすぎる、総理、この日本。金融危機も、経済危機もなんのその、絶対安泰、千年王国である。
「ESSAY」カテゴリの記事
- 青春18きっぷの旅 タイトル(3)(2020.03.23)
- 青春18きっぷの旅 タイトル解読(2020.03.23)
- 青春18きっぷの旅 タイトルを解説(2020.03.18)
- Dancyu web(2020.02.08)
- 謹賀新年 手作り無農薬の魚沼コシヒカリ(原種)から始めます(2019.12.31)