「腐敗しゆく言葉」 (2009.5.15) WEB限定掲載、書き下ろし
鴻池代議士とはずいぶん前にテレビ番組で会ったことがある。ある少年事件で「育てた親を市中引き回しにすべし」と、発言して注目されたころのことだ。
司会者が私に「それでは大臣(当時防災担当大臣だった)の意見と真っ向から対立する藤原さん、どうですか?」とふったとき、「えっ?」とこちらに目を向
けた鴻池代議士の顔が忘れられない。案外、気の小さい人かもしれないと、そのとき思ったことを覚えている。
さっさと入院してしまうところなど、ほんとにそうなのかもしれない。
そういえば安部元首相も突如入院してしまったことを忘れていた。あちらのほうが衝撃度は大きかったけれど。
さてその鴻池代議士が、いや、彼は参議院議員だったから、代議士ではなかった。失礼。鴻池議員は神道への宗教心をことあるごとにとき、愛国心を喧伝して
いたけれど、その彼が「天地神明に誓って男女の仲ではない」と前回の発覚時に発言していたことを考えると、彼にはほんとうは誓う神などどこにも(天にも地
にも)いなかったということになる。
嘘つきというより、吐かれた言葉がたちまち腐敗するような感じ。もっとも多くの人がその腐敗臭をすでに感知していたはずだが。
政治家の言葉の腐敗は「人生いろいろ、仕事もいろいろ」とか「フセインが見つかっていないからフセインが存在しなかったと言えるのか。大量破壊兵器がな
いと言えるのか」という意味不明の発言があったころにピークに達していたと思っていたけれど。まだまだつづくのか。
そう考えると「あなたとは違うんです」という言葉には腐敗臭はない。選民意識が下品に露出しただけ。つまり正直ということ。
で、きのうの発言。
鳩山代議士「愛のある政治」、岡田代議士「ひとりひとりの笑顔をつくる政治」。こちらは腐敗系ではなく幼児系ですか。
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