引き返す勇気
大雪山系の遭難では、引き返す勇気、やめる勇気がなかったということが指摘されている。
どうも、耳に入ってくる話では、登山客よりもガイドが率先して続行を決めたらしい。
よく中止決定にさいして、登山客側に不満、不平が強く、現場でその声に抗しきれないというが、そうともいいきれないのでは。
確実なのは会社の営業に損失が出るような中止を、会社が現場に避けさせるという圧力が一番の原因ではないかということ。
それでガイドは中止できない。
というより、ガイドの側も、予定通りに終えるという会社向けの成績競争に走っているケースもありそう。
これは自己責任という側面がなくはない登山より、客が会社を選べない交通機関のほうが深刻。
JR西日本の大事故などは会社むけの定時運行という圧力に負けたという側面が強そうだし。
ことに最近は航空機が怖い。
定時運航は会社間の競争激化で絶対命題となっていて、機長の引き返す勇気を妨げるのは、乗客より会社の営業圧力。
そういえば、数年前、計器の不具合で引き返した飛行機に乗り合わせたが、あれなど機長は会社でそうとうしぼられたのかもしれない、などと想像する。
怖い。
« 「ランド 世界を支配した研究所」 (2009.7.20)※西日本新聞に本年2月に発表した書評を改稿したものです。 | トップページ | 斜めかぶりキャップ »
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