「岡田監督とぼんぼり」 (2009.8.7) WEB限定掲載、書き下ろし
サッカー日本代表岡田武史監督のモットーは「世界を驚かせる覚悟がある」。雪洞(ぼんぼり)にそう書いていた。
覚悟というのがおもしろい。本来ならたとえば「私たちは世界を驚かせる」だけでけっこうなのだが、あえて「覚悟」というところに、どこか悲壮感が漂う。なぜか?
「覚悟がある」ではなく「つもりである」なら、ひどく弱いし、すでに逃げている風。「予定である」というのもおかしいし。
では「意志がある」といえばどうか? 案外、まっとうである。
まっとうな響きがある。やや翻訳調だったとしても。
そこであえて「覚悟」といったのは、むしろ「世界を驚かせられなかったとき、批判をあまんじて受ける」その「覚悟がある」というようなニュアンスが漂っている。だから「覚悟」なのである。
命がけ、である。
しかしこの「世界を驚かせる覚悟がある」はいろいろと流用できそうだ。
「部下を驚かせる覚悟がある」とか「社長を驚かせる覚悟がある」とか。
あるいは、なぜか「チバテレビを驚かせる覚悟がある」でもいい。
「夫を驚かせる覚悟がある」という妻も、なかなか良さそう。
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