「プラスチック・ワード」 (2009.8.7) WEB限定掲載、書き下ろし
裁判員制度で、裁判になるとよく顔を見せる識者が「?」なことをいっていた。
「市民の素朴な感覚……」というよく聴くフレーズを連発しているのだが、市民=素朴というのはいったいだれが決めた?
では裁判官は素朴ではなく華美だったり派手だったりしたのか? と、ついつっこみたくなる。
つまり、こういう人は言葉に、あるいは他者にたいして、無神経なのだ。
市民感覚という言葉も、マスコミのコメンテーターが平気で使う。
では、市民感覚とはどういう感覚なのか?
これも言葉にたいして無自覚な人々のセリフだ。
いまプラスチック・ワードという言葉がある。
たとえば「改革」というような、文脈によっていかようにも解釈され、そして何をも意味しない言葉だ。
じつは「市民感覚」もその一つ。
マスコミの言説はこのプラスチック・ワードでできあがっているといってもさしつかえない。
私たちもおうおうにして、この罠にはまる。
自戒を!
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