クマの本を読む
訳あって、クマの本を読んだ。
再読もあるけれど、なぜかどれも面白い。
「羆撃ち」(小学館)は日本では数少ないプロハンターの自伝。
アメリカの専門学校にまで足をのばした人。
狩猟期間はずっと北海道の山にこもり、シカ、クマを狩る。
なぜか文章がうまく、十分に文学。
すごいのは狩猟犬フチ。
こういうのに涙する人、多いだろうなあ。
「熊嵐」(新潮文庫)は吉村昭の名作。
ドキュメンタリー小説だが、大正初期の北海道の辺境地に起こった事件が題材。
六人の村人を喰ってしまった羆と狩人の対決がメインだが、羆が近代主義を蹴散らすような大自然の悪魔的な力としても描かれている。
はっきりいって羆の怖さがよくわかる。
「クマにであったらどうするか」(木楽舎)。
こちらは山歩きのハウツー本でも生態学の本でもなく、アイヌの狩人からの聞き書き。
かれら熊撃ちたちの能力、嗅覚のすごさは「羆撃ち」と合わせて読むと、よくわかる。
「熊を放つ」(中公文庫)。
こちらはちょっとかわって、ジョン・アーヴィング初期の小説。
熊はともかくおもしろい。
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