「フローズン・リバー」 (2010.2.19) WEB限定掲載、書き下ろし
「フローズン・リバー」はテルマ&ルイーズのようなある意味、
「女性」映画なのだが、後者がニューシネマ的なラスト(たとえば「俺たちには明日はない」のような)ではなく、明日への希望を胚胎したものに仕上がってい
るのは、きっとグローバリズム以降のせっぱ詰まった状況、より深刻で深化した危機を反映したものなのだろう。
「明日はある」と思えるから「明日はない」といえるのであって、「明日がない」のに「明日はない」とはうたえない。
テルマも明日に向かっても、ふたりの白人だったけれど、フローズンはWASPと先住アメリカンと連帯が静かに進行していく。
いや、静かではなく、暴力的にか。
いずれにしても、手持ちのブレるキャメラワークが緊張感を作っていて、スタイリッシュで内容もいい映画です。
これを母と子の母性神話として批判するような批評ってあるのだろうか?
そうとうに勘違いと思うけれど。
« 短編小説 (2010.2.19) | トップページ | 堅パン »
「ESSAY」カテゴリの記事
- 青春18きっぷの旅 タイトル(3)(2020.03.23)
- 青春18きっぷの旅 タイトル解読(2020.03.23)
- 青春18きっぷの旅 タイトルを解説(2020.03.18)
- Dancyu web(2020.02.08)
- 謹賀新年 手作り無農薬の魚沼コシヒカリ(原種)から始めます(2019.12.31)