泳ぐ子象
東大総合博物館の特別展「命の認識」は、新しい試みに満ちていて、興味深い。
解剖学者、遠藤秀紀さんのプロデュースで、
キュレーターがアーティストになりかわったような演出。
展示室の入り口で出迎えるのが、この子象だ。
生きて泳いでいるようでもある。
誕生後まもなく死んだ子象だが、
像は泳ぎかうまく、鼻を水面にだして遊泳したりするらしい。
世界には海で泳ぐ象もいるとか。
この子象の標本のむこうには、鯨の骨なども展示されている。
すべてみごとな曲線。
骨は基本的に曲線によって形成されている。
つまりトポロジーのようなもの。
見学者が大量の骨やホルマリン漬けの標本に、
クールな視線を送れるのは、
そこに臭いがないからである。
まさにフォルムだけ抽出された生命の痕跡である。
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